ブラジル移民 百年の歩み=苦労や功績を伝える写真展 =広島

ニッケイ新聞 2008年5月1日付け

 【中国新聞】「ブラジル日本移民百周年記念写真展」が四月二十五日、広島市中区の旧日本銀行広島支店で始まった。日伯交流年広島県実行委員会、中国新聞社、国際協力機構、ブラジル日本移民百周年記念協会の主催。五月六日まで。無料。
 サンパウロ市のブラジル移民史料館が所蔵する写真五十二点は、コーヒー園での労働やアマゾンの開墾地でのコショウ栽培の様子など、移民の労苦と功績を伝えている。中国新聞社の記者が、現地と広島で、広島にゆかりがある日系人たちを取材した報道写真三十四点も紹介している。
 広島市が現地で集めた農耕具や旅券、神楽の衣装などの生活資料約九十点も展示。両国の一世紀にわたる移住史をたどれる。
 開幕セレモニーには、両親が一九〇八年の第一回移民で、ブラジル生まれのきょうだい下田明雄さん(89)=広島市安佐南区=と西村弘子さん(83)=中区=が出席。下田さんは「親の苦労を思うと、涙なしには見られない。移民があってこそ、今の日本の発展がある」と話していた。
 2008ひろしまフラワーフェスティバル(FF)がある五月三―五日には、会場ロビーで県内在住のブラジル人らがサンバの踊りやボサノバ演奏を披露する。