日本移民00周年事業=NPO立では日本初=岡山県総社市にブラジル人学校を開校=100周年記念協の山中さんも出席

ニッケイ新聞 2008年5月21日付け

 【岡山県発】日本の中国地方以西では初めてのブラジル人学校となる「エスコーラ・モモタロウ・オカヤマ」(森健太郎校長、児童数十九人)の開校記念式典が十八日、岡山県総社市駅前の同校で開かれ、保護者や関係者ら約七十人が出席。今年のブラジル日本移民百周年(日伯交流年)を記念する国際交流事業のスタートを祝った。
 岡山県内の日系ブラジル人派遣会社、私立学校経営者らがブラジル日本移民百周年を機に同校の設置を計画。運営組織として岡山県認定の特定非営利活動法人(NPO法人)「ももたろう海外友好協会」を今年三月に設立し、同校を四月に開校した。ポルトガル語での就学前教育と小学校教育、日本語教育を行っている。ブラジル日系社会関係者らで構成する「ブラジル日本移民百周年記念協会」の山中イジドロ・政府折衝担当委員長が開校前からブラジル政府との交渉などを行ってきた。
 式典はポルトガル語と日本語の二カ国語で行われ、山中委員長をはじめ片岡聡一・総社市長、岡山県国際課職員らが来賓として出席した。ももたろう海外友好協会の枝松孝典理事長はあいさつの中で、同校がブラジル政府教育省の公認を受けられるよう取り組んでいると強調。総社市から体育館の無償利用や学習机の寄付など支援を受けていることについて感謝の意を述べた。
 山中委員長は、NPO法人立のブラジル人学校が日本初である点について「日本の規則を変えずに学校を運営できる新しいしくみだ」と述べ、日本人社会、行政関係者と日系ブラジル人社会が協働して学校運営を行うモデルケースになると評価した。
 児童たちは、桃をかたどった校章を縫い付けた体操服姿で登場。ポルトガル語と日本語で「こどもの世界(PEQUENO MUNDO)」を歌い、学校設立関係者に花束を贈呈して、大きな拍手を浴びていた。また企業から花の栽培セットなどのプレゼントが贈られると、児童を代表して白部隆一ブルーノくん(10)が「ありがとうございました」と日本語でお礼のあいさつをした。
 岡山県の調べでは、同県内の外国人登録者のうちブラジル国籍者は二〇〇七年九月末の時点で二千七十六人。
 同校ではポルトガル語の児童書の寄付を受け付けている。連絡先は同校(〒719-1136 岡山県総社市駅前1―3―36 エスコーラ・モモタロウ・オカヤマ)。(松田葉子さん通信)