「地球アゴラ」で3時間の特別番組=日系社会を紹介へ

ニッケイ新聞 2008年5月29日付け

 インターネットのウェブカメラを使用して、世界各地で暮らす日本人とNHKのスタジオを結び、在外邦人の生活を紹介するNHKBS1の生放送番組「地球アゴラ」。
 身近なニュースや現地で関心を呼んでいる話題について、お茶の間感覚の会話を楽しむ。そこには最新の情報から暮らしのヒントまでが満載され、ネット社会にふさわしく、ワールドワイドな身近な情報を生放送で届ける番組だ。
 ブラジル日本移民百周年を記念して、百周年を切り口に、移民史や南米各国の話題などを盛り込んだ放送が、日本時間で六月二十二日午後三時十分から三時間、生で行なわれる。南米各国を繋ぎ、多言語中継で行う壮大な計画である。
 制作局衛星生放送制作センター専任ディレクターの太田務さんが番組の内容探しのために七日来伯し、今月末まで滞在予定。八日来社した太田さんは「南米を、日系社会を、考える良い機会。さらに日本社会を考え直す絶好の機会ではないか」と今回の放送に期待をかける。
 本来は、パソコンとウェブカメラを現地に送り、そこから本部とを繋ぐために、スタッフが実際に現地を訪れるのは珍しいこと。
 「制約があり、南米全地域からの放送を行うのは難しいかもしれないが、やってみたい」と意気込む太田さん。
 太田さんは今回二度目の来伯で、前回は今年の二月十日の放送された「ブラジル移民百年 沖縄サンバ」の放送のために来ていた。
 同番組ではこの他、二〇〇六年十二月には、笠戸丸移民をルーツに持つ日系六世の大西・エンゾ・裕太くん一家を中心にした日本移民の歴史、ブラジル紅白歌合戦やサントスの上陸記念碑、サンパウロ日本移民史料館などを放送した。
 ブラジルでは、同番組を六月二十二日午前三時十分から三時間で放送が行われる予定。