「苦労した人に見てほしい」=舞踊集団菊の会が来伯公演=日本の芸能を多彩に披露=9月

ニッケイ新聞 2008年5月29日付け

 ブラジル日本移民百周年を記念して、日本の舞踊集団菊の会(畑道代代表)は、九月十四日から二十六日までブラジル国内四カ所で公演する。
 菊の会は、近世代の歌舞伎に影響を受けた日本舞踊集団。北海道から沖縄まで日本全国各地の土着民謡を演じ、初めて見た人にも分かるような舞台に取組んでいる。
 これまでにも文化庁の助成で様々な国で公演しており、ブラジルで三十カ国になる。
 今回の公演は、文化庁の助成金を受け、国際交流基金が後援。同会は、世界の人々の日本文化のへの理解などを深める文化庁の文化交流使に、団体としては初めて選ばれている。
 このたび下見のため、同会の原聰舞さん(訪問団団長)と谷元久美子事務局長、小林敬テクニカルコーディネーター(株式会社エディスグローブ代表取締役)の三人が十三日に来伯。二十日まで滞在して各地を視察した。
 同会からは男女合わせて演舞者二十人、スタッフ十人の三十人が来伯を予定している。公演は喜劇、和太鼓、民謡芸能など約二時間半。
 日本の良さを伝えるために、舞台セットは日本から運ぶ予定という。原さんは「移民で来て、苦労した人々にぜひ見てもらいたい」と抱負を語った。
 公演会は次の通り(日程、場所は予定)。【九月十四日】クリチーバ(ポンタグロッサ)、【十八日】クリチーバ(グアイラ)、【二十二日】マリンガ(カリルハダジ劇場)、【二十六日】サンパウロ(アルファ劇場)。
     ◎
 同会では公演以外に、クリチーバとサンパウロ市の日本人学校でワークショップを開催することも検討している。