埼玉県人会創立50周年=友好議連から13人来伯=根本会長「これからも一致団結で」=「サイタマ公園」訪問も

ニッケイ新聞 2008年9月3日付け

 在伯埼玉県人会(根本信元会長)の創立五十周年・県人移住九十周年式典が八月三十一日、サンパウロ市内の栃木県人会で開かれた。来伯中の同県議会議員で構成する日伯友好議員連盟(竹並万吉会長)から十三人、同県人会会員や他県人会の代表者など約百人が出席して節目の年を祝った。
 横田パウロ名誉会長の開会の辞に続いて、日伯両国歌の斉唱、先没者の霊に黙祷を捧げた。県人会の高橋努さんが上田清司県知事のメッセージを代読した。
 根本会長は、一九一八年サンパウロ州パウリスタ線のパンス耕地に入植した五家族に始まる県人の歴史などを紹介したうえで、「会員一同一致団結して楽しい県人会をつくりましょう」と呼びかけた。
 尾崎眞次式典実行委員長の感謝の辞に続いて、竹並友好議連会長があいさつ。同県には現在、約一万三千人のブラジル人が暮らし、同県の産業を下支えしている現状や、昨年十月に発足させた同県の日伯友好議員連盟の活動内容を報告。「ブラジルと日本は遠くても最も近い国。両国の関係がさらに密となることを期待したい」と述べた。
 神谷裕之同議員連盟代表は、今年の夏の甲子園第一回戦で、同県代表の本庄第一高校の奥田ペドロ選手が、劇的なサヨナラホームランを打ったことに触れて、「このニュースは埼玉はじめ日本中を感動させた」と紹介した。
 同議連事務局長の諸井真英県議(39)があいさつ。身長百九十三センチある諸井さんは、大学在学中にブラジルにサッカー留学し、九六年から九八年までサンパウロ新聞の記者研修生として滞伯した経験がある。
 「滞在中には多くのブラジルはじめ日系人の方々に大変親切にして頂いた。ブラジルの親日ぶりは善意の含み資産。今後、資源大国のブラジルと日本の技術が協力し、両国の関係性がさらに深まることを願いたい」と日ポ両語であいさつすると、会場から大きな拍手が送られた。
 続いて西林万寿在サンパウロ総領事は、諸井県議のあいさつに触れ、「ポルトガル語であいさつした日本の慶祝団の方は初めて見ました」と賞賛。「百周年をきっかけに両国の文化、経済関係もギアチェンジして再活性化している。議員の方々にはブラジルの今をつぶさにご覧になって頂きたい」と話した。
 このあと、日系議員らのあいさつや高齢者表彰、記念品の贈呈、贈呈金の授与、元県費留学生・研修生代表のあいさつがあった。
 昼食を挟んで、乾杯とケーキカットがあり、午後のアトラクションでは、「海をわたって百周年」の合唱やYOSAKOIソーラン、サンバショーなどがあり、盛り上がった。
 式典に先立ち、議員連盟一行は、アルト・デ・ピニェイロス区にある「サイタマ公園」で記念プラッカの除幕式を行った。式典参加後、パラグアイのイグアスー移住地、リオなどを視察し、五日帰国する。