こどものその50周年=功労者10人に名誉市民章=市議会が半世紀の歩み顕彰

ニッケイ新聞 2008年9月5日付け

 社会福祉法人「こどものその」(岡本ルイス理事長)創立五十周年を祝し、三日午後七時半からサンパウロ市議会内ジョアン・ブラジル・ヴィッタ貴賓室で、創立者や元理事長ら十人にサンパウロ市名誉市民章が贈られた。
 受章したのは、創立者の故長谷川良信氏をはじめ、故井口吉三郎氏、故尾身倍一氏、故中矢末吉氏、故木原ちょう氏、井口信氏、宮部みつあき氏、重松はるたか氏、長谷川良昭氏、西田康二氏の十氏。
 授与式は、野村アウレリオ、ジルソン・バレット両市議、岡本ルイス理事長、与儀昭雄やすらぎホーム経営委員長、諸川有朋・百周年協会執行委員長代理、千坂平通JICAサンパウロ支所長、関係者ら約六十人が出席のもと、和やかな雰囲気で行われた。
 推薦者の野村市議は受章に至った経緯とともに、「五十年前、先人たちが蒔いた種が立派に育ち、困難も乗り越えてブラジル社会に献身してきた。その活躍を褒め称えたい」と称賛した。
 両市議、岡本理事長、与儀氏、諸川氏、千坂氏により本人や代理人に記念プレートが手渡され、こどものそのに「サルバ・デ・プラッタ」が贈られた。
 岡本理事長は、長谷川良信氏が土地を探し、井口吉三郎氏がイタケーラの自分の土地を寄付してから同園の歴史が始まったことに触れ、「幾人ものスタッフらが二十四時間体制で支えてきた。十人の受章者、そして全ての人々の努力に感謝し、新しい道に突き進んでいきたい」と宣言した。
 式後、カクテル・パーティーが開かれ、団欒の時を過ごした。
 副理事長を務めた故中矢氏の代理で出席した娘の小原中矢妙子さん(二世)は、「とても誇りに思います。父が苦労の中も頑張っていたのを見てたから」。
 四十年以上前から現在もツッパン支部長を務める重松氏の代理には、サンパウロ市に住む孫二人が出席。「素晴らしい章を受け僕らも嬉しいし、祖父もとても喜んでいます」と、重松えいじ・フェルナンドさん(28、三世)は話した。