魅力的な日本文化 茶―花展=3千人が雅の世界を堪能

ニッケイ新聞 2008年9月9日付け

 茶道と華道を中心に紹介する『魅力的な日本文化 茶―花展』がサンパウロ市リベルダーデ区の文協ビルで六、七の両日に開催され、約三千人(主催者発表)の入場者が日本の伝統的な雅の世界に触れた。裏千家ブラジルセンター、ブラジル日本移民百周年記念協会、ブラジル日本文化福祉協会の共催。
 会場の入り口となった大ホールには、ブラジル生け花協会による大胆かつ繊細な「花の大作品展」が行われ、写真を撮る人も多く見られた。
 茶の湯釜として最も歴史が古く、鋳造が途絶えて約四百年経っていた「芦屋釜」を近年復元させた山本ケイ仙氏の作品も展示、注目を集めていた。なお、同展にあわせ来日した山本氏は両日、「日本における鉄文化」をテーマに講演した。
 二階貴賓室にも設置された茶室では多くの来場者が説明を受けながら、茶の湯を楽しんでいた。
 大講堂では両日にわたり多彩なプログラムが来場者を楽しませた。
 華道山月流の「花とコーラス」、和の会による長唄・三味線披露、ブラジル吟剣詩舞連合会、ブラジル書道振興会によるデモンストレーション、ブラジル日本音楽協会の琴・尺八ショー、花柳龍千多会の着物ショーが行われ、会場からは大きな拍手が送られた。
 なお、コスプレコンテスト、アニメ映画なども上映され、老若男女が楽しめるイベントとなった。
 日伯文化連盟による「折り紙ワークショップ」では、来場者も一緒に折り紙を楽しみ、茶道デモンストレーション「花月の式」では、裏千家ブラジルセンターの林宗慶代表がマイク片手に茶の湯の世界観を説明、来場者らは熱心に聞き入っていた。
 なお、一階部分では、押し花展やマンガ図書館が人気を集め、二階の貴賓室では陶芸・生け花の展示などが行われた。
 裏千家ブラジルセンター、百周年協会、文協が共同で六月に出版した「日本文化の特質」も好評な売れ行きを見せていた。
 コーディネーターの一人である林宗円さんは、「ブラジル人の来場者がとても多く、庭園なども好評だった。会場の雰囲気など、今までの文協のイベントとは違うものになったのでは」と同展の成功を喜び、四百人のボランティアに対して感謝の言葉を述べていた。