マルセロ神父が友好病院を祝福=開院20周年を記念して=住民ら3千人が大合唱=神父からミサ申し出

ニッケイ新聞 2008年9月20日付け

 今年開院二十周年を迎える日伯友好病院(サンパウロ市パルケノーボムンド区)を祝福しようと、ゴスペルシンガーとしても有名なカトリック界のアイドル、マルセロ・ロッシ神父(41)が十七日正午、同病院隣接の道を閉鎖してつくった特設舞台で、特別ミサをおこなった。地域住民や病院の職員、利用者ら約三千人が舞台周辺に押し寄せ、マルセロ神父とともに大合唱を繰り広げた。
 鈴なりの人の波は七十メートル以上。家屋のベランダにのぼり、神父に大きく手を振る人たち。舞台隣のアパートの窓に集まる住人。病室の窓から手を振る患者。両手を胸の前で組み合わせて涙を浮かべる女性たち・・・。それぞれがマルセロ神父の言葉一つ一つを熱心に聞き入った。
 マルセロ神父は、イースター時期のミサで百万人もの信者を動員すると言われるカトリック界のカリスマ。〃歌い踊る〃神父として知られ、今年六月に発売した新曲「Paz Sim,Violencia Nao」は、ブラジル国内ですでに二十万枚を売上げている。
 また、宗教をテーマにした映画にも出演したことがあるほか、テレビやラジオ番組にも出演。毎週日曜日午前六時からは、一時間、グローボ局に「Santa Missa em Seu Lar」の番組を持っている。体育教師の資格もあり、身長百九十センチ以上の長身。
 今回の特別ミサは、同神父の心臓内科の担当医が日伯友好病院で勤務していることが縁で実現。病院の職員や利用者へ感謝したいと、マルセロ神父から申し出があり、日程を調整していた。
 マルセロ神父は一連のカトリックの儀式をはさんで、計五曲ほどを披露。同神父が歌い始めると同時に、観衆からは自然と大合唱が巻き起こり、笑顔で隣人と抱き合う姿が見られた。
 マルセロ神父は「ブラジルには最大の日系コミュニティーがある」と述べたうえで、観衆に呼びかけて友好病院の本棟に向かって祝福。菊地義治援協副会長の謝辞のあと、手を合わせて「サヨナラ」「アリガト」と述べ、観衆に頭を下げてミサを終えた。
 マルセロ神父の入退場時には、携帯電話やデジタルカメラで写真を撮る人たちで溢れた。ミサ前、同神父は友好病院の役員らとあいさつし、病院内の会議室で記念撮影した。