コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2008年9月27日付け

 千二百席ある文協の大講堂が、ほぼ非日系人で埋まる――二十、二十一日に開催された「第三十七回民族舞踊祭」は、二十以上の各国コロニアを日系が取り仕切る、移民の国ブラジルならではの祭りだ。
 踊り子はほとんどがブラジルで生まれた若い移民の子孫。日系と同様、他コロニアでも伝統が親から子へ脈々と受け継がれている。そして踊りと一緒に「○○人の心」も忘れられていないようだ。記者が「日本の阿波踊りが一番かっこよかった」と思っても、リトアニア系の女性は「やっぱりリトアニア」。文化には「○○人の心」を掴んではなさないものがある。
 YOSAKOIソーラン、盆踊り、太鼓、そして昨今では「マツリダンス」なる日系コロニア発のものまで誕生し、日系人の絆を深める役割はこれからも期待されるだろう。 (親)