名古屋高裁=多治見の拳銃強奪事件=ブラジル人兄弟に2審も実刑判決

ニッケイ新聞 2008年10月04日付け

 【共同】岐阜県多治見市で二〇〇五年、警察官から拳銃を奪って負傷させたとして強盗致傷罪などに問われた日系ブラジル人兄弟二被告に、名古屋高裁は三日、強盗致傷罪の成立を認めて懲役九年、罰金三十万円とした一審岐阜地裁判決を破棄、強盗罪を適用し、ともに懲役六年、罰金三十万円の判決を言い渡した。
 判決理由で田中亮一裁判長は「被告らに拳銃を奪う意思や警察官の反抗を抑圧する暴行があったのは明らかだ」と認定。
 しかし「拳銃を奪われた際に引き金にかけていた右手中指を骨折した」とする警察官の証言は「記憶にあいまいな部分がある」と信用性を否定し「被告を追跡中に地面に手を突くなどしており、ほかの機会に受傷した可能性もある」とした。
 二人はエグチ・ジョルジ・エジガー・デ・ソウザ(29)、エグチ・マウロ・デ・ソウザ(25)両被告。
 判決によると、両被告は〇五年五月十三日夜、多治見市の空き地で、盗難トラックを運転していたマウロ被告に職務質問をしようとした多治見署の男性巡査を暴行、拳銃を強奪して逃走した。