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ニッケイ新聞 2008年10月16日付け

 カワサキ・モトーレス・ド・ブラジル(伊藤浩社長)の設立パーティーが十日夜に開催された。ブラジルに来て間もない伊藤社長、蛮勇というべきか、ポルトガル語であいさつ。しかし途中で「難しい」「疲れた」などの日本語がマイクを通して会場には漏れ聞こえ、なんともいたたまれない雰囲気に。
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 六月から八月にかけてサンパウロ市東部地区の日本人家族が集中的に狙われた家屋侵入強盗事件。宮原ジョルジさん(羽藤ジョージサンパウロ市議補佐)によれば、その犯行グループは十二歳から十六歳前後の少年が多かったとか。現行の法律上、彼らは逮捕・拘束されないため、来月、宮原さんが中心となって、法律改正のための委員会を結成するそう。目標は二百万人の署名を集め、十四歳以上の少年にも刑事責任が問えるように、連邦政府に働きかけること。「残虐な事件には死刑も求めたい」とも。国を揺るがす大胆な意見だが、実現したら、確かに犯罪は減る!?
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 イタペチ六十周年式典会場の外には、コチア青年の野村愛国さんが手作りした「イタペチ歴史年表」が展示されていた。日本人会長、青年会長、婦人会長、万寿会長名はもちろん、主な出来事が几帳面な字で記されているが、九九年の「アスファルト道路開通イナウグラソン」という文字は心なしか踊っているように見える。それまでは泥道で何かと苦労したという。車両の不法投棄などが日常茶飯事だったのが、これで激減したとか。わずか十一年前。そんな話を聞くと、普段は当たり前だと思っている舗装道路ひとつに、ありがたみが湧いてくる。