少年法改正求め署名運動=サンパウロ市東部の連続強盗うけ=羽藤市議ら旗振り役に=百万人分集める

ニッケイ新聞 2008年10月18日付け

 【既報関連】ブラジル人の未成年グループによるサンパウロ市東部の日本人家庭を狙った侵入強盗事件が多発したことを受けて、羽藤ジョージサンパウロ市議や被害がひどかったヴィラ・プルデンテ地区の日系コミュニティーなどが中心となり、十四歳の少年からも大人と同様の刑罰を与えられるように、少年法の改正を求めた署名活動を展開していくことが分かった。
 日本人家庭を狙った事件は、今年六月から八月にかけて、サンパウロ市東部のモオカ区やヴィラ・アルピーナ区、ヴィラ・プルデンテ区、サポ・ペンバ区などで、少なくとも二十二件以上が発生。地元の市警察や軍警が巡回を強化するとともに、防犯対策のオリエンテーションを実施していることもあり、事件は大幅に減少している。同様の事件は、九月初旬からは二件まで減ったという。
 羽藤市議補佐の宮原ジョルジ氏は「百万人の署名を集めて連邦議会に法案改正を求めていく」という。同時に凶悪犯罪者には死刑が求刑できるようにしたいとも話す。
 宮原氏によれば、同様の手口の事件が、サンパウロ市カンブシ区やイピランガ区、ブタンタン区、ジャグアレ区ほか、イタペセリカ・ダ・セーラ市やエンブー市でも発生していることから、同氏は率先して地元の日系団体に協力を求め、署名を集めていくという。
 「犯行グループの多くが十二歳から十六歳。彼らは自分たちが法律により逮捕されないことを知って犯行を繰り返していた」と宮原氏は嘆く。今回の事件を通じて、せっかく警察が現行犯で少年らを捕まえても、簡単な取り調べをしただけで、少年が親元に引き渡されることが続いたことから、被害者の家族たちは強い憤りを感じているという。
 「羽藤市議は議員としての立場ではなく、一国民としてこの問題に取り組んでいく覚悟」と宮原氏は述べ、広く協力を呼びかけている。