東西南北

ニッケイ新聞 2008年11月7日付け

 米国のオバマ次期大統領に、ルーラ大統領が、「リーダーシップと、希望は恐れを超えるという確信を持つ人物」との賞賛と、伯米の関係親密化を望むメッセージを送信。一方、学生の八八%が黒人系のサンパウロ市のUnipalmaresでは五日夜、世界中の黒人はこの勝利を祝うべきとし、風船を放ったりして人種主義の壁を超えたオバマ氏勝利を喜んだ。ブラジル人も黒人もなく、国民が一丸となって国作りをというオバマ氏の呼びかけは、同じ人種の坩堝であるブラジルにも当てはまる。
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 サンパウロ市のビエンナーレ会場に素っ裸で立ち、来場者から貰う物だけで二週間過ごすとアピールした三五歳の芸術家。五日の新聞はアピール直後にシャツと水をもらい、なお立ち続ける写真を掲載したが、六日は、パンツとシャツを身に着け、貰い受けた品々を並べた横で胡座をかいてパンを食べる写真。来場者の一人にリンゴをプレゼントしたともいうが、公共の場でこの手のアピールが出来るとはさすがブラジル。
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 六日付けフォーリャ紙によると、サンパウロ州地方医師協議会実施の最終学年生向けテストで不合格となった学生は六一%。〇五年の三一%の倍だ。基礎となる内科知識で半数以上が答えられなかったのは結核診断法。受験生の半数以上合格は、サンパウロ連邦大、サンタカーザ医科学大、サンパウロ総合大の三校のみ。
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 パラナ州クリチバで、三日夕方から行方不明となっていた九歳の少女の絞殺死体が、五日未明にバスターミナルに放置のカバンから発見された。性的暴行の跡もあり、警察はカバンにあったシーツの出所捜査と、バスターミナルの防犯カメラや少女のコンピューターの分析を急いでいる。