NEC=ブラジル進出40周年祝う=通信インフラ整備に貢献=次世代技術の導入進める

ニッケイ新聞 2008年12月5日付け

 NECブラジル社(山室信CEO=最高経営責任者)が今年で創立四十周年を迎えた。一九六八年にブラジル法人「NEC・ド・ブラジル」を創立以来、ブラジルの通信インフラ整備に貢献、発展してきた同社。十一月二十六日にはサンパウロ市内で記念パーティーを開き、更なる事業伸長へ決意を新たにした。
 同社は今年四月に二つの関連会社が「NECブラジル」として統合。現在は、テレフォニカなどの通信キャリア向けにインフラの提供やメンテナンス、モニタリングサービスなどを行うほか、民間企業に対してネットワーク構築、ソリューションサービスなどを展開している。
 二十五日午前から、サンパウロ市のNECサービス・センターで記者会見が行われ、四十周年を記念して十一階に開設した「鈴木忠ルーム」に約二十五人のマスコミ関係者が集まった。
 今年四月にCEOに就任した山室氏(47、二世)は、「今年度目標としていた一八パーセントを上回る二七パーセントの成長率を遂げた」と報告。
 さらにブロードバンド市場の拡大を踏まえて、二〇一一年度に現状の約二倍となる十億ドルの売上を南米全体で目指すプロジェクト「フェニックス2・0」を進め、地上デジタル放送システムや次世代技術の導入に力を入れていきたいと話した。
 会見が行なわれた鈴木忠ルームは、同社の基礎作りに重要な役割を果たした鈴木忠元社長の名前から命名されたもの。山室CEOは開設にあたり、「国の発展のために重要な役割を果たしてきた弊社の四十年の歴史を、若い社員にも伝えて今後に生かしてゆきたい」と述べた。
 室内の両サイドに取り付けられたパネルには四十周年の歴史が写真と年号で簡単に記してあり、設置された四台のモニターで商品・技術の説明などをしている。今後は社員の勉強会などに使用される。
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 NECブラジル創立四十周年の記念パーティーは二十六日午後、サンパウロ市のカーザ・ファザーノ・サンパウロで開かれた。
 本社の広崎膨太郎副社長、パウロ・カステロ・ブランコ前NECブラジル社長はじめ、招待客など約三百人が出席。山室CEOはあいさつで、「先人たちの功績を忘れず、今後もお客様の信頼に応えてゆきたい」と決意を語った。