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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2008年12月23日付け

 欲しがる我が子に、列車内でも車内でも臆面もなく授乳する母親たちを見て、「ブラジルのお母さんはたくましい」と思わずにはいられない。日本ではほとんど見られなくなった光景だ。「肌を露出することに抵抗のない文化」というだけでは片付けられないと思う。
 それを取り巻く人々も温かい。ある日見た光景に、おなかいっぱいになった赤ちゃんが若者に手を差し出し、携帯電話をいじっていたその若者は、照れからか、目こそ合わせないがその手を優しく握ってあげていた。「母乳で手が汚れているのに」と思った自分を恥じた。
 それに対して、もはや当たり前になってしまった日本の幼児虐待のニュース。そんな病んだ親たちに、愛情深いブラジルの母親たちの姿を見てもらうことは、経済交流や学術交流と並んで重要なことのように思えた。  (綾)

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