80人集い全伯教師研修=日本語センター=テーマは「広げよう日本語の輪」=ベテラン、新人が情報交換=マツリダンスの実演も

ニッケイ新聞 2009年1月14日付け

 新人からベテランまで、日本語教師八十人が全伯から参集し、「第五十一回全伯日本語教師合同研修会」(ブラジル日本語センター主催、JICA聖支所後援)が七日から、四日間にわたってヴィラ・マリアナ区の同センターで行われた。日ごろ日本語教育に勤しむ教師たちが、学び、情報交換し、切磋琢磨しあう絶好の機会である同研修会。参加者らは充実した四日間を過ごしたようだ。
 移民百一年目の今年のテーマは、『広げよう日本語の輪―学習者の心をつかむには』。「受身ではなく参加型」と企画された研修は、講演や実践発表、グループに分かれてのワークショップなど、ぎっしり内容が詰まっている。
 今年は、遠くはマナウスやパラナ、ブラジリアなど全伯から八十人が集まった。何十年という経験を持つベテラン教師も多く、同研修会の常連だ。
 今回初めて、ロンドリーナの「グルッポ・サンセイ」を迎えて講演やマツリダンスの実演を行った。教育者とは違う視点から日系団体の活動を学び、「参考になった」と好評だったようだ。
 この道二十一年のベテラン、原たずこさん(59、コロニア・ピニャール日本語モデル校)は、作文の指導法を実践発表。作文は「自分が苦手だから教えない」という教師が多いというが、「例えば運動会が終わったら、生徒に楽しかったことを話させて黒板に書いてゆく。それを助詞で繋げるだけ」と伝授。
 「みんな、今度から取り入れてみると言ってくれて嬉しかった」と原さん。同研修会は互いにノウハウを学びあい、励まし合う大切な場にもなっている。
 十日午後に行われた閉講式は、谷理事長、諸川友朋理事、佐藤吉洸実行委員長らが出席のもと、参加者最年少のブルーナ・ヒロミ・イノエさんが代表で終了証を受け取った。
 ロンドリーナ市から参加した斉藤みどりさんが、「学んだ多くのことをそれぞれの場で生かせるよう、新時代の日本語教育を模索しながら生徒と共に成長してゆきたい」と謝辞を述べると、会場は拍手に包まれ幕を閉じた。
 初めて参加したという片岡万奈さん(27、高知)は、「ベテランの先生たちも新人の意見も取り入れようと意欲溢れていて、刺激された」と充実した表情。
 また韓国やエクアドルでも日本語教師の経験を持つ吉村圭子JICA青年ボランティア(36、東京)は、「反省した」と自分の指導法を振り返り、「得られたことは大きい」と参加した意義を噛みしめていた。