新年彩る『初生け』=生け花協会=大部総領事迎え華やかに

ニッケイ新聞 2009年1月22日付け

 ブラジル生け花協会(田中エミリア会長)は十七日昼、リベルダーデのニッケイ・パレス・ホテルで『初生け』を行った。会場には、新年らしく紅白で彩られた生花約三十点が飾られ、集まった九十人は個性溢れる作品を堪能した。
 十二日に着聖したばかりの大部一秋総領事、栄子夫人も揃って出席。「素晴らしいですね、器がどれも素敵」と栄子夫人は初めてブラジルの生花に触れ、楽しんでいる様子だった。
 飾られたのは、池坊華道会ブラジル支部、同ラテンアメリカ橘支部、小原流、草月流、静月流、山月流などの教授や師範の作品。
 小原流の川岡立師範は、めでたい時に生けるという美人蕉に大王松やドラセラを合わせ、勢いのある作品で人目を引いていた。
 また、自宅の庭に咲いていた白い空木(うつぎ)を使ったという河村徳子池坊ブラジル支部長は、その綺麗な曲線にトルコ桔梗、紅花をさりげなく組み合わせ、柔らかく繊細な作品に仕上げていた。
 会場の一角では、煎茶道静風流ブラジル灯楽会によって煎茶が振舞われ、和の雰囲気たっぷりの空間が広がっていた。
 それぞれ鑑賞を楽しんだ後、田中会長が「百周年に携われ、幸運の星の下に生まれてきたと思う。今年四十七年目を迎えた生け花協会ですが、次の移民百年に向かい貢献してゆきたい」と抱負を示し、新年祝賀会が開幕。
 「ボア・タルデ」とあいさつに立ち、大きな拍手で歓迎を受けた大部総領事は、スペイン語訛りのスピーチを披露。上原幸啓文協会長のあいさつ後、尾西貞夫・元文協生け花委員長の音頭で乾杯した。抽選会、藤間流の舞踊、西村満梨さんの歌を楽しみながら、新年の門出を祝った。