タボンの州立校名復帰運動=12年ぶり「日伯学校」に=昨年末に州議会で承認

ニッケイ新聞 2009年1月23日付け

 サンパウロ市近郊タボン・ダ・セーラ市にある州立「フジオ・タチバナ小学校」の名前が約十二年ぶりに、旧名の「日伯小学校(Escola Estadual de 1。Grau Nipo Brasileira)」に戻った。地元のタボン文化体育協会創立者の親族など有志が〇六年から運動してきたもの。ロベルト・フェリシオ州議(PT)の提案二五七号可決を受け、昨年十二月十一日にサンパウロ州議会が法令一三二五四号を定め、名前の変更が決まった。
 タボン文協に隣接した同校舎の敷地(約四千平方メートル)は元来、文協の前身で一九三二年に設立された「タボン農會」が会館土地として購入した約三万六千平方メートルの一部。
 同校は、タボン農會が戦前同敷地内に設立したブラジル学校「2。Grupo Escolar do Taboao」が前身。
 会では戦中戦後を通して地元子弟の教育を続け、六七年に当時の文協会長が、州政府が校舎を建てる代わりに同校の敷地を寄付。七一年に当時のラウド・ナテル州知事が同地日系社会の貢献を称え、「日伯小学校」と名付ける条例に署名した。
 その後、九六年に小林パウロ州議(当時)の提案による州法令九四五八号により「フジオ・タチバナ小学校」に改名され、現在に至る。創立以来同校で学んだ生徒は約三万人に上るという。
 校名を元の「日伯」に戻す運動は〇六年ごろから、タボン農會創立者の子孫や親族、弁護士の増田稔さん(元下議)らが中心となって進めていた。