先輩から継いだ行事をこれからも=ロンドリーナで新年祝賀会=百周年への協力に感謝=金城、田村両市議も出席

ニッケイ新聞 2009年1月24日付け

 【ロンドリーナ】ロンドリーナ文化体育協会(アセル、広岡栄吉会長)恒例の新年祝賀会が、カンペストレの会館で一月一日午前九時から行われ、最高齢者の鈴木登志枝さん(92)をはじめ、四十八人が出席した。
 式典会場には、ロンドリーナ日本移民百周年祭典委員長を務めた吉井篤氏の計らいで、百周年祭典行事の準備から祭典当日までの記録写真五十六枚がパネルに収められ展示された。
 まず、林セルソ・アセル新副会長の司会で先没者への黙祷、日伯両国歌斉唱、年の始めの歌が合唱され、アセル新会長の広岡栄吉氏(63、二世)が紹介された。
 広岡会長は、ABRAC(ブラジル歌謡協会)の初代会長や、ロンドリーナ市会議員も務めた経歴を持つ。日本で七年間就労、帰国後は農場経営の傍ら、アセル文化部長を務め、日ポ両語にも堪能で今後の活躍が期待されている。
 続いて、平間靖旺評議員議長があいさつ。平間議長は、今年でアセル創立以来最も長い同職十年目というベテラン。広岡会長も、平間議長の活躍を評価し、期待を示していた。
 平間議長は、アセルが一九五五年に創設されて以来、日本人会から受け継いでいる新年祝賀会、運動会、母の日の催し、移民祭などを今後も継続してゆくことを確認。また、十年間で百十一回行っている高齢者の集いが定着した行事となっていることを報告した。
 吉井氏は、百周年祭でアセル会員はじめ、子供にいたるまで活力を結集して祭典を見事に成功させたことに感謝の意を述べ、「人は団結すれば何事も大成できることを示した。中川トミ広場に、同地の開拓者のプラッカを取り付け、敬意と感謝を示したことは素晴らしいことだった」とまとめた。
 また、現在土木技師三十人と千六百八十人の従業員を擁している自社の吉井建設にも触れ、市川ヒロシ氏が新社長に就任したと報告。同建設が協力している和太鼓「一心太鼓」の六十三人が今年はアルゼンチンで公演、またパークゴルフも日本に遠征し、日伯交流を深めることになったと発表した。
 金城ロベルト市議は、アセル会長を務めた田村ジャイロ氏が市議選に当選して二人の日系市議となり、力を合わせて頑張りたいとあいさつ。
 アセル会長を二期務めた田村市議は、「昨年は百周年の祭典で皆さんの協力によって大役を果たすことができ、また市議選でも関係者の協力を頂いて好成績で当選できた」と謝意を表し、今後もアセルのためにも協力したいと話した。
 田村市議は四十二歳で、父親はウライ市長やパラナ文化運動連盟会長などを務めた医師の故・田村明氏。田村市議も農業大学を卒業後、ウライ市議を四年間務めている。ロンドリーナに移転後は法学士の資格をとり、パラナ農務局のロンドリーナ支局長を務めていた。今回市議会議長が臨時市長になったため、田村氏が副議長から議長になり、幸多いスタートとなった。
 新年祝賀会は頼もしい雰囲気の中、日本酒で乾杯。婦人部手作りの美味しいお雑煮に舌鼓を打って、晴れ晴れとした新年を祝いながらひと時を楽しんだ。(中川芳則通信員)