金曜だけの日本料理店=サンビセンテ=17年目の「ニセイ・レストラン」

ニッケイ新聞 2009年1月24日付け

 毎週金曜日の夜、サンパウロ州サンビセンテ市内にある日本食レストランが賑わいをみせている。
 同市生長の家子供会の母親十人が中心となって一九九三年九月にオープンした「ニセイ・レストラン(Restaurante Nissei)」だ。今年で十七年目を迎える。
 「ブラジルに恩返しがしたい」「日本文化を伝えたい」との思いから子供会が創設され、その母親が中心となって経営されている同レストラン。午後七時から十一時頃まで営業され、持ち帰りも可能という。
 経営方法も独特ながら、営業形態も屋台風と一風変わっており、すしや刺身、やきそば、てんぷら、鉄板焼きなど約二十品目を巷の日本食レストランより安値で提供。多い日には約二百席が満席になり、食券売り場には行列ができるほどの盛況ぶりだ。
 お客さんの約九割以上が非日系人で、毎週来る常連もいるのだとか。ブラジルに日本食文化が浸透し、経営者側の思いは実を結んでいるようだが、二世、三世の姿が少ないのは少々寂しい光景のようだ。
 「商売としてではなく、少しでも子供会の資金になれば」との思いから始まった同レストラン。現在は、売上金の一部を厚生ホームなどにも寄付している。
 経営者の一人で、同子供会の創設者、青木ヤスコさん(78、熊本)は「みんなに喜ばれるように、これからも頑張っていきたい」と笑顔を見せていた。