「日系人の姿伝えたい」=新潟県農業実習団が帰国=手作りフェイジョアーダで送別

ニッケイ新聞 2009年1月28日付け

 新潟県農業実習団(菅原秀雄団長)四人が十日間の農業実習を終了するにあたり、新潟県人会(柿嶋昭三会長)は、二十一日午後六時から同会館で一行の送別会を行った。
 同会婦人部が丹精こめてつくったフェイジョアーダを二十五人の参加者は、食べながら歓談した。
 挨拶で、柿嶋会長は、「一段と逞しくなり、自信を持ってこのたびの実習を報告していただきたい」と別れを惜しんだ。
 それに応え、菅原団長は、「県人会を中心とした多くの方々のご協力大変ありがとうございました。ここで実習したことは、日本での農業経営に役立てていきます」と謝意を表した。
 団員の宮内隆和さん(25、十日町市)は、「日系人の農業経営者は、グローバルな視野で経営をしている。将来的にこのような農業をやっていきたいが、農地の規模が違うので、日本農業の特色に合わせ、ここで学んだいい点を取り入れたい」と実習の感想を述べた。
 関洋海さん(34、南魚沼市)は、「県人会の歓迎は、今までにない心温まるもので、忘れられない一生の思い出になりました。こんなに日本人がいて、日本語が通じることは、すごいと思いました」と驚いていた様子だった。
 伊藤真さん(30、燕市)は、「農業の技術、考え方、経営について日本よりもシビアな面がありますが、人情があると思いました。日本に戻ったら、特色ある農業をしたいです」と意気込んだ。
 白井健太郎さん(29、長岡市)は、「農業に従事している人々が真剣で、大和魂があるのを感じました。スケールが大きくいろんなものを抱きかかえる懐の深さを感じました」と感激した様子で語った。
 菅原団長は、「帰国後、日系の方々の真摯な姿を若い人々に紹介し、私たちの道標としていきたいです。団員一同郷土の発展に努めます」と締め括った。
 最後に同実習団が県人会の人々と別れる時、菅原団長の音頭で皆一斉に万歳三唱をし、感動のあまり涙を流した実習生もいた。