日系農協セミナー始まる=サンパウロ市=南米4国15農協が意見交換

ニッケイ新聞 2009年1月28日付け

 国際協力機構(JICA)サンバウロ支所主催、ブラジル農業拓殖協同組合中央会共催『第九回日系農協活性化セミナー』が二十七日、サンパウロ市リベルダーデ区のニッケイ・パラセホテルで始まった。
 ブラジル(九)、パラグアイ(三)、ボリビア(二)、アルゼンチン(一)の十五農協の代表者が集まり、各地の現状や課題を報告、南米日系農協の将来のあり方を模索する。三十日まで。
 二十七日午前九時にあった開講式には、約三十人が出席。
 JICAサンパウロ支所の千坂平通支所長は、ロンドリーナやアルゼンチンで日系農業を視察した感想を「追われる立場と認識した。もはや日系=農業ではない」と話しながらも、「勤勉、実直さこそが農業に大事なこと。開拓者精神を継承して欲しい」と期待を込め、エールを送った。
 農拓協の近藤四郎会長は、「コチア、南伯崩壊後、弱体化する日系農協を支えるセミナーは有意義」と話し、「赤い糸のような日系農協同士の横の繋がりをこれからも続け、日本との関係も築いていきたい」と抱負を述べた。
 在ブラジル日本国大使館経済班の阿部一郎二等書記官は、三回目の出席となる。「インターネットなどで情報は収集できるが、普段会いたくても会えない人と顔を合わせるのがセミナーの魅力」とし、「個人的にも関心があり、楽しみにしている」と出席を喜んだ。
 講演や分科会のほか、三十日には、ジュンジャイ、カンピーナス地方の農業視察を行う。
 参加農協は、次の通り。
 【ブラジル】コッパセントロ農業協同組合、モンテ・カルメロ農業協同組合、南マット・グロッセンセ農業協同組合、グァタパラ農業協同組合、インテグラーダ農業協同組合、バルゼア・アレグレ農牧協同組合、パウリスタ柿生産者協会、アルト・パラナイーバ農業協同組合、カッポン・ボニート農業協同組合。
 【パラグアイ】ピラポ農業協同組合、ラパス農業協同組合、イグアスー農業協同組合。
 【ボリビア】サンファン農牧総合協同組合、コロニア沖縄農牧総合協同組合。
 【アルゼンチン】日系農業者団体協議会。