ブラジル球連を検察庁に告発=松本選手と妻が訴える=「まったく根拠がない」

ニッケイ新聞 2009年1月29日付け

 ブラジル野球連盟(大塚ジョルジ会長、以下球連)に対する告発が二十三日にサンパウロ州検察庁へ行われたとする記事が、二十六日付けアブリル・サイトに掲載された。告発したのはマリア・フェルナンダ・デ・ルッカさんと、その夫で米国メジャーリーグ一歩手前のAAAに在籍する松本ジョー投手(36)。
 同記事によれば、一九九〇年以来、長年会長職にある大塚さんが関わったとされる、十二項目の〃不正〃内容が告発状に記されている。
 告発状の筆頭に挙げられているのは、二〇〇四年と〇五年の球連会計において、ブラジル五輪委員会からそれぞれ約四十一万レアル、約四十六万レアルが振り込まれたことになっているが、同委員会は六十五万レアル、七十五万レアル支出したことになっており、差額が共に二十万レアル以上あるという問題だ。
 その他、「会長が権限を濫用して、自身が経営し、輸入独占権をもつ野球商品を連盟に売っている」「イビウナ球場の野球特待生に罰として役員の車を洗わせている」などと十二項目が並ぶ。
 ニッケイ新聞の取材に対し、球連傘下のパウリスタ野球連盟の沢里オリビオ会長は、「まったく根拠がないことばかり。検察庁から求められれば、いつでも説明する書類も整っている」と抗弁した。
 例えば、五輪委員会からの差額の件に関しては、「国際大会に参加した時の航空券の費用は、旅行会社から委員会に直接請求がいっており、球連を通っていないから。それを証明する書類もちゃんとある」とし、「五輪委員会の予算は会計検査院の監査を受けたもので、不正の入る余地はない」と説明した。
 検察庁がこの告発に基づいた捜査をはじめるのか、退けるのか。そこに焦点が集まっている。