コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年1月29日付け

 大学入試の結果などを見ると、受験生だった娘には、結果以前にその努力を誉めてやろうと思ったことなどを思い出す。
 と同時に、知識や情報集積に偏らず、先人の知恵や生き様に学ぶことの大切さも思う。
 世に言う学歴は無くとも皆が感服する知恵者もいれば、知識はあっても知恵は無く、人としての薄っぺらさが目に付く人もいるなど、探究心や向上心で知恵者や達人になる人と、神童などと言われても平凡に終る人を比べれば、前者たれと望んでしまうのだ。
 「最高学府にまで学ぶ者は言い訳などするな」と教えてくれた恩師は、中卒で働きながら大学検定に挑戦して教授になった人。「育児は育自」と教えてくれた人もいる。
 周囲の人の知恵に感じ、実力と人間味のある人々との出会いにときめく私は、大器晩成の言葉に大きな魅力を感じ始めてもいる。   (み)