コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年2月4日付け

 モジ文協(中山喜代治理事長)の総会を取材して驚いたが、四月の秋祭りの財政規模は約百万レアルにもなる。これは、県連の行うブラジル最大級の日本文化イベント「日本祭り」の規模に近い。しかも二十七万レアルもの余剰金をあげた手腕は立派だ▼文協、援協、県連始め毎年百五十万レアル以上の資金を動かす日系団体は、全伯を見回しても数えるほど。特に地方文協では皆無に近い▼百一年目の課題である地方ネットワークという観点に立って、サンパウロ市文協・理事会選挙の理想の布陣を勝手に考えてみた▼もしモジ文協が財政担当の副会長になり、この手腕が活かされれば念願の大講堂改修工事はあっという間に終わる。聖南西連盟とリベイラ沿岸連合(共に山村敏明会長)は地方団結の象徴といえる動きを見せている。これが地方との連携を強める担当の副会長になれば「リベルダーデ文協」と揶揄されることはなくなる▼さらに夢想を広げれば、全伯一の盆踊りに代表される文化継承を誇るノロエステ連合(白石一資会長)は伝統文化担当副会長、全伯最大の鳥居を建設した汎パライバ連合(菅野鉄夫会長)、汎パウリスタ連合(新宅義美会長)、汎ソロ連合(纐纈俊夫会長)、前回の評議員選挙で団体一位のレアル銀行に日系進出企業担当に入ってもらえば最強の布陣だ。今のようにエラい個人でなく、団体が理事職に就く事で影響力は一気に広がる。これは「サンパウロ州連合」に他ならない▼サンパウロ州には全伯日系人の七割が集中する。これだけで〃スーパー文協〃といって良い。全伯うんぬんでなく、まずはサンパウロ州の足元を固める。そんな発想があってもいい。(深)