アマゾン入植80周年=アマゾニア病院に草の根資金=7.5万ドルで待合室など拡充

ニッケイ新聞 2009年2月6日付け

 日本政府(外務省)が実施する草の根・人間の安全保障無償資金協力でパラー州ベレンのアマゾニア病院に約七万五千ドルを供与することが決まり、先月三十日、同病院講堂で贈与契約署名式が行なわれた。
 同資金供与はアマゾニア病院の一般外来受付けおよび待合室の拡充工事計画に対して行なわれたもの。日本政府が日本人アマゾン入植八十周年の記念事業の一環として実施を決定した。
 同病院を運営するアマゾニア日伯援護協会(長瀬隆昭会長)に対し、七万五千九百三ドルを上限に資金が供与される。三十日午前中に行なわれた贈与契約署名式には、有吉宏之在ベレン日本国総領事、長瀬会長ほか関係者が出席した。
 これまで同病院では受付け・待合室のスペースに制約があり十分に活用されていなかったが、同計画の実施により、多くの市民が安心して高度な医療を受けられることが期待されている。
 草の根・人間の安全保障無償資金協力は、地域住民が直接裨益(ひえき)する小規模なプロジェクトに対し供与されるもので、ブラジルでは一九九九年から実施されている。申請はNGOや地方公共団体などの非営利団体が在外公館に行う。在ベレン総領事館ではパラー、マラニョン、アマパー、ピアウイの各州で実施されるプロジェクトを受け付けている。