不況直撃のデカセギ=住む地域で支援に格差

ニッケイ新聞 2009年2月6日付け

 【共同】世界的な不況の影響で仕事を失うなど、深刻な打撃を受けている日本国内の日系ブラジル人。日系ブラジル人が多く住む地域では、自治体がコミュニティーと連携して対策に取り組む例もみられるが、そうではない地域では支援の手が回らず、日々の食事にも事欠くようなケースも出ている。
 栃木県小山市の元派遣社員橋本コウジさん(46)は、妊娠四カ月の妻(33)と十二歳、七歳、六歳の娘三人の五人家族。昨年十二月に失業し、地域の日系ブラジル人らの支援で何とか食いつないでいるが「妻と私が丸一日何も食べずに子どもたちに食事を譲ることもある」という。
 近所のスーパーにいらなくなった食材の提供をお願いしたが断られた。市には「まだ元気だから働ける」とだけ言われたという。「子どもがまず優先。でもどこに助けを求めたらいいのか分からない」と肩を落とす。