大耳小耳

ニッケイ新聞 2009年2月6日付け

 移民百一年目の五日、劇団〝笠戸丸〟が、飛行機に乗ってブラジルへとやってきた。山南順平代表、脚本を手がけた田中瞳さん以外は、初めてのブラジルだ。「本を読んだりハルとナツを観たりしたけど、日系コロニアのイメージはまだない」と正直に話す団員も。半月の滞在でブラキチならぬコロニアキチとなって、〝笠戸丸〟の新たな歴史を刻んで欲しい。
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 安部順二元市長が手塩にかけて運営したモジ市だけあって、とても良い制度がある。どこの日系団体も高額のIPTU(土地家屋税)の支払いに悩んでいるが、同市にはProjeto Sancao Premialという制度があり、地域の貧困子弟に柔道や野球、フットサルなどのスポーツを無償で教えると、これが免税になる。実際にモジ文協のスポーツセンターではIPTUが約三万レアルもするが、この制度を採用し、野球などの教師への謝礼に一万二千レアル払うだけで済んでおり、出費は半額以下。他の市でも、この制度を導入したら?
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 岐阜県美濃加茂市の可茂総合庁舎で、三日にブラジル料理の試作会が行われ、飛騨牛とカボチャの「カルネ・コン・キベベ」や「フランゴ・ナ・セルベージャ」などが振舞われ好評だったそうだ。同地域では約十戸がブラジル野菜を育てており、今後、中濃地域畜産振興会がブラジル料理教室を予定しているという。久々に日本からブラジルに関する微笑ましいニュース。