コラム 樹海

ニッケイ新聞 2009年2月10日付け

 3月末の解散、4月総選挙と公言する野党の代表がいて新聞を賑やかにし永田町は激しく動いている。こればかりは、首相の権限なので「解散は何月何日」と明言できるのは麻生太郎氏を除いて誰もいない。それだけに揣摩臆測がどこからともなく乱れ飛ぶ。もし、近いうちに選挙があれば民主党優勢の観測がしきりだし、政権交代も決して夢ではない▼世論調査では、どこも自民劣敗だし、民主党に政権を渡してもいいの回答が多い。だが麻生内閣は、この100年に1回の金融危機と不況乗り切りが最優先と主張し自民党が粘るのも、理屈としてはよく解る。もちろんー自民にも渡邊喜美氏の離党や政界再編に乗り出し党を去るような動きのグループがおり不安もある▼こんな厳しい情勢のなかで小泉純一郎前首相が、これでもかこれでもかと締め付けた「派閥」がうねりのように動きはじめているのにも目を向けたい。最大規模の清和政策研究会は、町村信孝氏を改めて会長にし、反麻生で脱党をもちらつかせる中川秀直氏を事実上の降格処分とした。総会では最高顧問の森喜朗元総理が若手を叱責する場面もあったし、かなり荒れたと新聞は伝える▼もう一つは、古賀派と麻生派(為公会)が「大宏池会」を話し合ったことである。言うまでもなく 宏池会は故・池田勇人氏の派閥でこれまでに5人の総理大臣を輩出する名門である。総選挙の前後に発足の噂があり、実現すれば町村派に次ぐ第2の集団になり、政界に大きな影響力を持つのは間違いなく、津島派がどういう方向を目指すのかにも注目したい。   (遯)