第31回聖南西相撲選手権=がっぷり四つの熱い戦い=団体はオザスコ、カ・ボニート

ニッケイ新聞 2009年2月12日付け

 快晴の下、第三十一回聖南西相撲選手権大会(聖南西文化体育連合会主催)が一日午前九時からオザスコ日伯文化体育協会の土俵で行われた。参加チームは、オザスコ、イタペチニンガ、カッポン・ボニート、イビウーナ。幼少年、少年、十八歳までの準青年の各カテゴリに分かれ、男女選手八十二人が熱い戦いを繰り広げた。
 開会式では、国歌斉唱の後、聖南西文化体育連合会の山村敏明会長は「時間を惜しまずここまで準備してきた関係者一同に感謝し、監督、選手は日頃の鍛錬の成果を十分に発揮してほしい」とあいさつした。
 サンパウロ州相撲連盟の土屋守男会長は「青少年にとって相撲を取ることは、礼儀、誠実、自尊心を習得します。誉れある人物に成長させます」と意義を述べた。
 大会は各階級毎に三人抜き、団体戦、個人戦の順番で取り組みが進んで行った。幼少年から準青年まで、大相撲顔負けの取り組みが続いた。ほとんどは非日系の選手。女子の中には関取のような貫禄のある四股を踏む選手までいた。
 相撲選手の技術面について、堤副会長は「相撲は神聖なる土俵で争われ、日本的な考えがあり、教えどおりのことを練習で実践してきた選手がめざましい上達をしている」と向上する選手の心得を話していた。
 昼食後はオザスコ轟会が見事な和太鼓の演奏を披露。午後も大会は滞りなく進み、盛況裡に終了。閉会式で選手の表彰があった。
 準青年男子で優勝したダニーロ・チバ選手(17)は「相手は手足が強く非常に苦しい戦いだったが、勝って嬉しいです」と、二分間におよんだ熱戦をふりかえった。
 週に一度の練習をしているが、「今年が最後のサンパウロ州大会なので、もっと稽古をして優勝したい」と抱負を語った。
 ダニーロさんは、今では少なくなった日系人選手の一人。日本語も二年間勉強し続けている。
 同女子優勝のマリア・リタ選手(17)は「八年間相撲を取った中で一番感激した」と感動を表し、「相撲を取ることは自分の成長に大切なことです」と語った。
 閉会の辞でオザスコ日伯文化体育協会の大滝相撲部長は「選手の皆さん次のサンパウロ州大会も手に汗握る試合を期待しています」と激励した。
 尚、今大会のために、カッポン・ボニートからフェイジョン、レジストロのバナナ、イタペチニンガは栗、PANCOのビスケットとパン、池崎商会より賞品の化粧品袋の寄贈を受けた。
 主な結果は次の通り。
◎団体戦
【男子】一位=オザスコ、二位=イタペチニンガ、三位=カッポン・ボニート、四位=イビウーナ。【女子】一位=カッポン・ボニート、二位=オザスコ、三位=イタペチニンガ、四位=イビウーナ。
◎個人戦(優勝者のみ)
【男子】▽幼少年A=エドウイン・ターヴェス(イタペチニンガ)▽少年A=トーマス・フレーリー(オザスコ)▽準青年=ダニーロ・チバ(イタペチニンガ)。
【女子】▽幼少女A=ナタリヤ・ド・プラド(イビウーナ)▽少女=ドロテイア・ダ・コスタ(カッポン・ボニート)▽準青年女子=マリア・ヒッタ・ドミンゲス(イタペチニンガ)