統合に向け第一歩踏み出す=沖縄県人会と文化センター=与儀氏が両団体会長に

ニッケイ新聞 2009年2月18日付け

 ブラジル沖縄県人会(与儀昭雄会長)とブラジル沖縄文化センター(ジアデマ市、与那嶺真次理事長)は十五日、サンパウロ市の県人会サロンで定期総会を開いた。今年の総会は、二団体統合を前提に初めて合同で開催。役員改選で両団体共通の執行部メンバーを選出し、与儀県人会長が二団体の新会長に就任した。

 二〇〇六年の定期総会で合併を決議した沖縄系二団体。その後、両団体を法人として残しながら定款の内容をそろえ、行事・運営を共通化する統合の方針に変更された。
 現在定款の改正準備が進められているところだが、今回の総会は統合を見すえて初めて合同での開催となった。
 当日はカンポ・グランデ、ブラジリア、マリリア、アララクアラ、ジュキア方面など遠方からの参加者を含め、二十六の支部から百二十一人が出席。午前中に県人会と文化センターがそれぞれ別々に〇八年度の報告を行ない、午後から二団体合同で〇九年度事業・予算案を審議した。
 冒頭、定款改正案を起草した与那嶺ルーベンスさんが統合にいたる三年間の経緯を説明。続いてあいさつした与儀会長は、県人会行事を取りやめて百周年行事・事業に注力した昨年の会活動、多数の慶祝団、沖縄芸能団体来伯などを振り返り、喜びを表した。
 進行中の記念事業については、文化センター敷地に建設中の移民資料館が四、五月ごろまでに完成の予定と報告。写真集とポ語版移民史も「できるだけ早く発刊したい」と話した。
 県人会の昨年度会計は収入約三十九万二千レ、支出約三十一万六千レで約七万六千レを繰越し。八一年以来続いてきたIPTU(土地建物税)の免除が〇三年から止まっていたが、交渉の結果免除される見通しだという。
 あわせて県人移住百周年の会計も報告された。ドル・円を除く収入は約九十八万三千レ、支出は約七十三万七千レ。百周年事業の会計について一部質問が上がったが、〇八年度会計とあわせ拍手で承認。
 文化センターの収支は収入約十八万八千九百レ、支出約十八万八千百レと発表され、承認された。
 午後からの総会では行事計画は二団体共通に、予算案は別々に審議。県人会予算は約三十二万五千レ、センター予算は二十万六千レを予定している。
 行事計画では、執行部から十五の年間行事が提案されたが、日程が多すぎるとしてサントアンドレー支部がいくつかを合同開催できないかと提案。意見交換の結果、行事数を変えず日数を十三日程度にするよう検討されることに決まった。
 続く役員改選は、選挙管理委員会から、評議員などの推薦による両団体共通の執行部シャッパが提示され、出席者の拍手で承認された。
 両団体の新会長に就任した与儀さんは、「とても大切な二年になると思う」と決意を表しながら、「(二団体)が一緒にやるのは初めてのことで、経験もない。両組織を強くし、ブラジルのウチナーンチュのためになるよう、皆さんと共にいい方向に向けてやっていきたい」と述べ、協力を呼びかけた。
 新役員は次の通り。【会長】与儀昭雄【副会長】1=与那嶺真次、2=松堂忠顕、3=崎間達雄、4=高安宏治、【書記】1=島袋安雄、2=与儀哲雄、【会計】1=大城ヴィセンテ、2=西原正三(敬称略)