レジストロ=簔輪シニア迎え猛練習=和太鼓曲「桜」で2日間

ニッケイ新聞 2009年2月20日付け

 一月三十一日、二月一日の両日、和太鼓指導者の簔輪敏泰JICAシニアボランティアの指導により、レジストロのRBBC体育館で午前八時半から午後六時まで約三十人の子供達が「桜」の曲の練習をした。
 簔輪さんは宮崎県の串間くるみ太鼓の代表で、レジストロでの指導は昨年の四月に続いて二回目。三十一日には、ジュンジアイの田中輝夫マルコスさん、スザノのヤバセ・レチシアさんの二人が助手として熱心に指導にあたった。
 この「桜」の曲は、簔輪さんの次男、誠治さんと次女の真弥さんの作曲で、〇四年に台湾で公演した際、日本らしい曲の演奏を頼まれ、「桜の花がはらはらと散る光景や、花見で楽しんでいる人々をイメージして作った曲」だと言う。
 真弥さんは一年間、ブラジルで太鼓の指導をし、今年の一月八日に日本へ帰国した。日本のプロのトップと言われる「鼓童」の試験に合格、四月から鼓童の一員として活躍する予定だ。
 簔輪さんは「真弥が鼓童に入ったことは、ブラジルの子供達にも励みになると思う。将来ブラジルから心も技も真弥を超える人が出る様期待しています」と語っていた。
 「桜」の練習は厳しかった。暑い日が続いた二日間、朝の八時半から午後六時まで、昼食時間と小休止を除いて練習に取り組み、体育館には一日中太鼓の音が響き渡った。三部構成のこの曲は、長胴太鼓、締め太鼓、桶胴太鼓の三つのグループに分かれ、今迄で習った曲の中では一番難しい曲と思われる。
 太鼓を始めてまだ四カ月という九歳の女の子もいたが、二日間でこの曲を覚えることは不可能であったが、手に豆を作って最初から最後まで休まず、練習に参加したのは賞賛に値する。近い将来、あちこちの舞台で「桜」が演奏され観衆を魅了することだろう。
 月曜日、簔輪さんはバナナ園、茶園、移民資料館を見学し、カナネイアに足をのばし骨休めをして夕方、サンパウロへ向かって旅立った。(金子国栄さん通信)