日伯の空の懸け橋=エンブラエル170を引き渡し=フジドリームエアラインズに=日本の4都市間を就航

ニッケイ新聞 2009年2月21日付け

 日本で今年夏から就航するフジドリームエアラインズ(鈴木与平社長、本社・静岡市)がエンブラエル社から小型航空機(E-JETシリーズエンブラエル170、76席)を三機購入、その第一号機の引き渡し式が二十日午前、サンパウロ市イタイン・ビビ区であった。鈴木社長やエンブラエル社のフレデリコ・クラード社長、大部一秋在聖総領事らが出席、〃空の懸け橋〃となる日伯経済交流を喜んだ。同機は、静岡を拠点に小松(金沢)、熊本、鹿児島の三都市間を結ぶ路線を就航する。鈴木社長は、「運賃は新幹線と競争、大手航空会社にない路線を開拓していきたい」と話した。

 E-JETシリーズの機体は〇四年から生産を開始、すでにエールフランス、米ノースウエスト、独ルフトハンザなど三十カ国の五十航空会社で採用されており、四百三十機が就航中。
 昨年十月には、日本航空(JAL)が同機を二機購入、二〇一〇年までに計十機の購入を決めている。
 フジドリームエアラインズは、今年の日本の夏に就航を予定、今回の三機を含め計八機の購入を予定している。今年三月に開港する富士山静岡空港を拠点に、大手航空会社と競合しない形で地方都市との新路線を築く。
 今回引き渡された初号機は、真紅のボディーカラー。各機異なった色が登場する予定となっている。開業当初は、静岡―小松(金沢)を毎日二往復、静岡―熊本、鹿児島間をそれぞれ毎日一往復し、将来的には、国際路線も視野に入れているという。
 引き渡し式でクラード社長は、「昨年のJALに続き、エンブラエル社が日本との経済交流関係に貢献していることを嬉しく思う」とあいさつ。
 大部総領事は、「この不況のなか、積極的な活動は心強いかぎり。次の百年の日伯関係を象徴する出来事」と喜んだ。
 記念品がお互いに手渡され、出席者らはカクテル形式で歓談を楽しんだ。
 初号機は二十日夜に飛び立ち、ヨーロッパ経由で日本へ向かい、今月二十八日に静岡市に到着する予定。