コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年2月21日付け

 デカセギ子弟の教育研究をしている結城恵群馬大学准教授の来伯講演で、衝撃的な話があった。デカセギに関する局地的な報道により、あるブラジル人学校が閉校に追いやられたという。
 一つのメディアが取り上げると他が寄って集って群がり、結果的に「ここは危ない」というレッテルが貼られてしまう。すると保護者たちが危機感を感じて去ってゆき、潰れてしまったのだ。
 結城教授は、「マスコミによって学校が潰されている状況」と報告するに留まったが、支援を必要としているはずのデカセギが更に犠牲になっている状態は悲惨だ。
 デカセギ帰伯者が、「言葉ができない人が多いから噂に翻弄されがち」と話していたが、偏った情報で全体が見にくいだけに、過剰で誤解を与えてしまうような報道はさけなくてはならないと思う。   (親)