サンタカタリーナ水害=コロニアから届いた支援の手=イタジャイ日会に義捐金送る=青森県人会呼びかけ1万5千レ=「日本人の気丈さ感じた」

ニッケイ新聞 2009年2月24日付け

 昨年十一月に起きたサンタカタリーナ州の洪水被害に対する義捐金が、今月十三日、募金を呼びかけた青森県人会の代表者から同州イタジャイ日本人会に渡された。姉妹州県をきっかけに始まった今回の支援活動。寄せられた金額は一万五千レアルに上った。

 同募金活動は、サンタカタリーナ州と母県が姉妹州県であることから同県人会が中心になって呼びかけたもの。昨年十一月末から約二カ月間で約一万レアルが集まり、さらに現地に向かう直前に沖縄県人会から五千レアルが寄せられ、合計金額は一万五千四百九十レアルになった。検討した結果、農作物流出や家屋浸水など大きな被害を受けたイタジャイの日本人会に渡すことを決めたという。
 玉城道子県人会長と近澤マリーナ副会長が十三日午後に現地を訪問。空港で日本人会の角園セザリオ稔会長夫妻、佐藤伍介副会長らの出迎えを受けた後、会員らが集まった会館で角園会長に小切手が手渡された。渡す際に寄付を集めた団体の名と金額も伝えた。「お金以上に感謝され、申し訳ない気持ちだった」と玉城会長は振り返る。
 同地では水害にともなう避難勧告が急だったため、そのままにされた家財や衣類が水に漬かり、使用不能になった。現地訪問時に被害者宅を訪れた玉城会長は、「浸水の跡が私の背丈くらいあり、小屋もひび割れが入っていました。外に置いていた農機具も流されたそうです」とその様子を説明する。
 また、農業面ではクリチーバ総領事館の支援で購入した種の植付けが始まったものの、まだ育っていない状態。支援物資は各地から寄せられたもので足りているが、収穫後に現金収入を得るまでの生活費が足りないことが当面の問題になっているという。日本人会では各地から寄せられた義捐金から、被害者宅に毎月生活費の支援を行っているそうだ。
 「これからもまだ必要な状態だと思います」と玉城会長は現状を説明する。一方で、被害を受けた人が「悲しんでいてもしょうがない。どう再起するか考えるのが先。がんばるしかない」と話していたことを振り返り、「実際に目で見て、日本人の気丈さを感じました」と話していた。
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 今後の募金活動継続については、同県人会で現在検討しているところ。現地へ直接送ってもらうことも考えているという。