東西南北

ニッケイ新聞 2009年2月27日付け

 二年前に岩盤陥没で七人死亡の大事故が起きたサンパウロ市ピニェイロスの地下鉄工事現場で、二十五日にクレーン車が横転。機材移動中の事故で、運転助手が軽いケガをしただけで済んだというが、同じ業者が工事を継続しているだけに、安全管理に手落ちはなかったのかなどが再度問われそうだ。
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 サンパウロ市アクリマソン公園の池で孤独な夜を過ごした雌の黒鳥は、二十五日に捕獲され、雄のいるイビラプエラ公園に。二羽が寄り添うところを撮った写真は、丁度ハート形に見え、思わず微笑みたくなる光景。修復工事が順調に進めば、公園の池は間もなく復活という話も。一方、数年間リオのサンバチーム、サウゲイロを一緒に指導してきたレナット&マルシア・ラージェ夫妻は、今年のカーニバルではサウゲイロとインペリオ・セラーノの二チームを別々に指導。一方は優勝、一方は降格という結果に、一喜一憂のラージェ夫妻。
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 サンパウロ州クラヴィーニョス市で二十四日午後、築一二〇年以上で、市の歴史遺産にも指定されていたサンベネジット教会が崩壊した。三年前から閉鎖され、崩壊も予告されていた同教会は、数年前から、壁から水が染み込む他、ひび割れ、天井の傷みなどの問題が出ていた。二十五日に現場検証を行った同市では、崩壊後も形を残した前面の壁などの保存を決めたというが、会堂再建については、資金調達も含め、全てが未定の状態だ。
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 サンパウロ州マリリアでは、二十五日夜から翌未明の雨で川の橋が落ち、通りかかったバスと小型トラックが転落。大急ぎで車外に出て溺死を免れたトラック運転手ら一八人にとって、救助まではとてつもなく長い夜だったことだろう。