コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年3月6日付け

 文藝春秋社発行のオピニオン誌「諸君」が六月号を最後に創刊四十年の歴史に幕を閉じる。
 昨年末、「月刊現代」「論座」が相次ぎ休刊、出版業界にも不況の風が吹き荒れている。
 フォノマギ竹内書店によれば「諸君」は「文藝春秋」に続きコロニアで愛読されてきたという。
 販売部数の低下と広告収入の減少は、世界共通の問題(邦字紙はその最先端だが…)で、メディアの危機―との声が各方面から上がっている。
 先日、日本の民放テレビ局で仕事する知人から興味深い話を聞いた。
 食べ歩きやお笑いなど、低俗番組の視聴者の購買力が低いことから、スポンサーが付き難い状況となっており、現在各局が見応えのあるドキュメンタリーなどを手掛ける風潮にあるという。
 不況が様々な状況を変えつつあるようだが、論壇・総合誌が消えるのはあまりに惜しい。(剛)