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石川県=ブラジル人の再就職支援無料で日語教室や生活相談

ニッケイ新聞 2009年3月18日付け

 【北國新聞・富山新聞】石川県の小松市国際交流協会は五日までに、市内在住の日系ブラジル人の再就職支援に乗り出した。十六日から無料日本語教室を開催するほか、生活支援に向けた相談補助員二人を新たに配置した。景気後退が鮮明となった昨年秋以降、職を失うブラジル人が多く、無料教室で就職に有利とされる日本語の能力を高める。
 無料教室は週二回で受講者の能力に合わせ四クラス設け、協会登録の日本人ボランティアが講師を務める。五月末まで開講し、現在、十五人が申し込みを済ませた。
 先月末、ハローワーク小松などでブラジル人に調査したところ、就職先を探すにも求人票が読めなかったり、履歴書を書けないケースが多く、無料教室を企画した。
 生活相談補助員は、日本語が堪能で市内在住の日系ブラジル人が務める。小寺町の協会事務局に常駐し、日本語ができないブラジル人に雇用保険の手続きをはじめとした行政文書の翻訳や書き方指導、ごみの出し方など生活面での相談に無料で応じる。
 親の失業に伴い保育園を退園する子供もおり、補助員の通訳で助産師を招いた育児相談会も開催する。
 補助員は国際協力機構(JICA)の委託を受け、海外日系人協会が一日から派遣した。期間は二十五日までだが、同協会は利用状況をみて延長要請も検討する。
 市内在住のブラジル人は、製造業を中心とする企業側から雇用を打ち切られ、帰国者が増えている。一日現在千百四十二人で、昨年十月のピーク時に比べ九十五人減少した。小松市国際交流協会は「突然の失業で困っている外国人が多い。できるだけ支援したい」としている。

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