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ニッケイ新聞 2009年3月28日付け

 帰伯日系人の相談にのったり、職の斡旋をするグルッポ・ニッケイは最近、デカセギ向けの新手の手口が横行していると警告している。リベルダーデにある某派遣会社で、現在も日本に毎月多数派遣しているところがあり、日本の工場で飛行機代だけ払い終わったらすぐ解雇して、放り出すという。その後に別の人を入れて飛行機代を払い終えたら、同じことの繰り返し。要は、仕事を紹介するふりして、飛行機代で儲ける詐欺的な手口だという。うまい話には十分に注意を。
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 希望の家の大野孔三会計理事によれば、今回ヴィラ・エスペランサ文協から寄贈された会館を売却して得た約二十二万レアルは、同協会の運営費一カ月分にあたるそうだ。「運営費として使ってしまえば一カ月で消えてしまうが、四十六年の歴史ある会館をこうして形に残せ、皆さんもとても喜んでくれてよかった」。同文協元会員らとの繋がりが今後も続いてゆくことを願う。
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 大浦文雄顧問は「憩の園は、世界恐慌の中で八十六人もの入園者の命を預かっている団体。責任の重さを肝に銘じて欲しい」と実直な運営を求める。不況下では、福祉団体に限らず企業も余計な出費を削り、事業に優先順位を付け、確実に成果が上がるよう注力する。救済会の場合、まず会員増、宮腰講堂貸し出し増、手持ち資金からの流用を戻すことが最優先であり、それでも余力があれば新規プランか。まして吉岡氏が文協会長に立候補するなら、それらの事業を完遂した後だろう。救済会という伝統ある組織を立て直す力量を見せれば、結果として文協会長候補者として支持する声も大きくなる。本人の力量とは別なところで、ポリチコな形で会長候補が生まれるのは本来のあり方ではない。