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高速鉄道=8つ以上の停車駅予定=日本など6カ国が名乗り

ニッケイ新聞 2009年4月4日付け

 三日付けフォーリャ紙によれば、英国開発コンサルタント会社のハルクロー社が二日に連邦政府に提出した、サンパウロ―リオデジャネイロ間の高速鉄道構想の事業採算性報告書によれば、八駅以上の停車駅を設けるという。
 大サンパウロ圏では、中心部のルス駅と、グアルーリョス国際空港に駅が設けられる。
 サンパウロ市郊外のカンピーナス市にも二駅を設けるべきだとされている。うち一カ所はビラコッポス空港で、もう一カ所は検討中。
 リオではすでに三カ所が構想されている。一カ所はガレオン国際空港、もう一カ所はセントロ地区のどこかで、レオポルジーナとセントラル・ド・ブラジル駅も候補に挙がっている。加えてもう一カ所、スル・フルミネンセ地域であるレゼンデ、ボルタ・レドンダ、バーラ・マンサの三都市の中から選ばれる。
 連邦政府は時期限定の駅も検討している。例えばサンパウロ州アパレシーダ市なら、十月十二日のノッサ・セニョーラ・アパレシーダの日に全伯から信者が押し寄せるため、この時だけ駅を稼動させる。これはカトリック教会によって発案されているが、建設の決定は事業主にかかっている。
 数週間以内にこの報告書は審査され、五月中ごろまでに公聴会で市民からの意見が聞かれる。その後、連邦会計監査院で審査を受ける。七月には入札発表となる予定。
 政府は二〇一四年のサッカーブラジルW杯までには高速鉄道の運行を開始することを確約しており、それに向けて交通省は全力を挙げて取り組んでいる。
 同報告書では、サンパウロ市停車駅周辺の利用者の半分以上は、飛行機を高速鉄道に代替する可能性があるという。その原因の一つは、高速鉄道駅が便利な中心部に設定されているため。
 航空利用の場合、搭乗・降機の手続きの手間を考慮すると、機内での移動時間の二倍かかる。二都の高速鉄道の移動時間は二時間以内と定められている。
 また、連邦政府は高速鉄道の建設・運営は民間主体を望んでおり、費用を国庫負担することは想定していない。PAC(経済活性化計画)の中で高速鉄道構想見積もり総工費は百十億ドルだとされる。建設に名乗りをあげている国は韓国、日本、独、仏、イタリア、中国の六カ国となっている。

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