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「正社員として雇って」=派遣労働者らが訴え=東京

ニッケイ新聞 2009年4月23日付け

 【共同】「正社員として雇って」。労働者派遣法の抜本改正を求める全労連の集会が二十一日、東京都内で開かれ、職を失った派遣労働者ら約二百人が集まって実態を訴えた。女性や外国人の参加も目立った。
 食品製造会社で約三年間、派遣社員として勤めてきた神戸市の女性(35)は二月、派遣会社から「生産減のお知らせ」という一枚の紙を見せられ、翌月に失職した。「一生懸命働いてきたのになぜという思い。正社員として雇うよう交渉中」と話した。
 群馬県伊勢崎市の日系ブラジル三世の男性(27)は約三年間、機械部品工場で乗用車のステアリング製造ラインを担当。一月末、派遣社員の契約を途中解除された。工場で働く約五百五十人のほぼ全員が南米からの日系人で、うち約四百人が失職。多くの仲間が南米に帰ったという。
 「派遣会社からも派遣先の工場の正社員からもこき使われた。日本は好きだが、簡単にクビを切れる制度はおかしい」と語った。
 集会では、全労連の小田川義和事務局長が「労働者が部品扱いされるのは派遣法が諸悪の根元。署名運動などで改正させよう」と呼び掛けた。

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