日本移民百周年ここに刻む=ニッケイ新聞社刊=写真集『百年目の肖像』=出版記念会に2百人

ニッケイ新聞 2009年4月24日付け

 移民百周年の記録を次世代に――。ニッケイ新聞社編集局(高木ラウル社長、深沢正雪編集長)が編集したブラジル日本移民百周年記念写真集『百年目の肖像~邦字紙が追った2008年~』(日ポ併記、百七十六ページ、オールカラー)の出版記念会が二十三日午後七時から、日本移民史料館で開催された。〃百周年の主役〃である二百人余りのコロニア関係者、大部一秋総領事夫妻、上原幸啓文協会長、与儀昭雄県連会長ら日系団体代表ほか、遠くはレジストロから駆けつけ、「百周年の集大成」(上原会長)を手に喜びの声を寄せた。

 「編集局から、全伯あげての百周年の熱気を必ず残すべきと計画を相談されてから、ここまで良くやってくれた」。あいさつに立った高木社長はレアル銀行、宮坂国人財団、サンパウロ州商業連盟など協力企業・団体に感謝の言葉を述べるとともに、記者らを労うと拍手が沸き起こった。
 上原文協会長は、「さっきこっそり見させてもらったのですが、素晴らしい出来。天皇陛下が贈ってくださった温かい言葉も載せてある」と感想。「ニッケイ新聞が百周年を逐一報道された六百枚が詰まった集大成」と言葉を贈った。
 大部総領事は「新たな一歩を歩み始めた日系社会を若い世代に語りついでゆくためにも感激すべきこと」と祝辞を述べ、「日系社会の発展を願う私としても喜ばしい」と語った。
 「今日は無性に日本語で話したい」とあいさつに立った清水オリジオ・レアル銀行取締役。「二〇〇七年の暮れに、『いいイベントは写真に残さないとダメだ』という話にすぐ乗ってしまった」と笑いを誘い、「手伝えて光栄。これからも日系イベントに参加していきたい」と宣言した。
 最後にあいさつに立った深沢編集長は、「主役はコロニアの方々。記録するのが我われの使命と思ってやってきた」と写真集への熱い思いを語り、「写真一枚の外には何百人何千人の日系人がいる。編集するにあたり、日系社会の規模や力の大きさを実感できた。お勧めできる一冊に仕上がりました。友人、子ども、お孫さんへ贈ってください」と締めくくった。
 来賓として田中信ブラジル日本商工会議所会頭、神谷牛太郎サンパウロ市議も出席。続いて編集スタッフが紹介され、与儀県連会長の威勢の良い発声で乾杯した。
 会場からは、「百周年の記録を残せて良かったなと思います。子どもにも伝えられる」(丹羽義和ブラジル日本語センター事務局長)、「日本の人、子、孫、知人に見せるべき。綺麗に仕上がってる」(望月二郎カメラマン)、「百周年に相応しいね」(沖真一東京農大会副会長)、「他に無い。全伯の百周年を一冊に残せたことは意義深い」(マルクス・カサワラ・ジョルナル・ダ・リベルダーデ理事)などと感想が寄せられた。
 記念会では予約を除いて約二百冊が販売され、日本への土産に購入した人もいるなど、それぞれが真新しい写真集を手に取っていた。

写真=昨年の全伯の熱気を刻んだ写真集の出版と、百一年目を迎えたコロニアのますますの発展を願い乾杯した

写真集「百年目の肖像」=本紙、書店などで販売中

 写真集「百年目の肖像」はニッケイ新聞社、または以下の日系書店、団体で取り扱っている=太陽堂(11・3208・6588)、フォノマギ竹内書店(3104・3399)、高野書店(3209・3313)、カーザ・オノ(3813・6522)、文協(3208・1755)、県連(3277・8569)。
 価格は八十レアル。本紙購読者は一冊に限り三十レアル、〇九年の新規契約者(一年分=四百五十レアル)には一冊を無料贈呈する(送料別)。
 注文や内容に関する質問は、ニッケイ新聞編集部まで。電話=11・3208・3977、FAX=3208・5521/担当レジーナ=日ポ両語対応、メールでの注文、問い合わせは、件名に「写真集」と書いてnikkeyshimbun@gmail.comまで。

写真=写真集「百年目の肖像」