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日本語話し、友達も作る=聖南西=低学年生徒のデイキャンプ=イビウーナで百人交流

ニッケイ新聞 2009年5月5日付け

 聖南西教育研究会(岡田エリーナ会長)による低学年デイキャンプが四月二十五日、イビウーナ日伯文化協会にて開催された。これは、聖南西地区の日本語学校の九~十二歳の生徒が集まり、スポーツやゲームなどを行うというもの。進行は時おりポルトガル語の通訳を入れながら、日本語で行われた。五回目の今年は、地区内の生徒百一人が参加し、交流を深めた。

 聖南西研究会では、「日本語学校は日本語を学ぶだけではなく、他の学校の生徒と交流を図り、色々な経験をして楽しい思い出を作り、人として成長させることも大切な役割」という理念のもと、林間学校(十二~十五歳)や青空スポーツ教室(十三~十六歳)といった行事を行っている。
 より下の年代の交流行事がなかったことから低学年デイキャンプが新たに実施され、今年で五回目の開催となる。今年十三歳になり参加できなかった生徒から、参加できなくて残念がる声も多く、早くも生徒の楽しみの行事になったことがうかがえる。
 前日にキャンセルが一校出たが、この日地区の八校から百一人の希望者が参加。十時に岡田会長より挨拶があり、「皆の元気でこのもやもやした天気を吹き飛ばそう」と元気よく訴えかけ、実際それまでは曇っていた空が、プログラムが進行するにつれ青空が見られるようになっていった。
 引き続きイビウーナ文協の高野信喜会長から励ましの言葉があり、実行委員長である水野成規JICA青年ボランティアからは「友達をたくさん作ること、日本語をたくさん話すこと、どんなゲームでも笑顔で楽しんですること」と三つの約束を述べた。
 ラジオ体操を行った後、目隠しやじゃんけんを使ったミニゲームを行い、その後、八つのチームに分かれてチーム対抗で様々なゲームが行われた。長縄跳びでは、一チーム十三人が心を一つにし、わずか五分ほどの練習で十四回を記録。
 綱引きでもチームが文字通り力を合わせて勝利を目指した。
 運動会のようなリレー形式の種目の後、参加生徒はマレットゴルフ場へ移動。イビウーナはマレットゴルフが盛んで、文協敷地内にはマレットゴルフ場が三十六ホール設置してあり、この日は一ホールだけ行った。マレットゴルフ経験者も少数いたが、多くの生徒は初めてとあって慣れないクラブでボールを打つのはなかなかうまくいかない様子。それでも皆楽しんでおり、ボールがカップに入るとチーム内からは歓声があがった。
 生徒持参のお弁当を食べた後、午後のプログラムは会館内で行った。日本語学校の行事らしく平仮名カードを用い、五十音に正しく並べたり、しりとりで言葉をつなげたり、友達の名前を作ったりして、みんなで協力しながら普段の学習の成果を発揮した。
 その後、再び外に移り日本式ドッヂボール大会を行い、最後にチーム対抗百メートルリレーを行い、四時半過ぎにこの日のプログラムを終了。
 閉会式の初めに後藤紀子JICAシニアボランティアより挨拶があり、この日最初にした『友達をたくさん作ること』『日本語をたくさん話すこと』を守れた人を聞いたところ、大半の生徒が手を挙げた。
 結果発表では優勝チーム以外からも元気のいい歓声があがり、生徒達は一日走り回ったにも関わらず疲れたそぶりを全く見せず、日に焼けた明るい笑顔が、この日がとても楽しく有意義な一日になったことを物語っていた。

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