無認可外国人学校の支援法案=自治体、国の補助を可能に=与党議連、今国会提出目指す

ニッケイ新聞 2009年5月8日付け

 【共同】不況で生徒が減り、経営が悪化している無認可のブラジル人学校などへの公的な財政支援を可能にするため、自民、公明両党の議員連盟は七日までに「外国人学校支援法案(仮称)」の骨子をまとめた。議員立法で今国会への提出を目指す。
 文部科学省によると、国内のブラジル人学校は今年二月現在で八十六校あり、うち八十二校は施設基準などを満たさず、都道府県が学校教育法上の各種学校として認可していない。こうした無認可校への独自支援を模索する自治体もあるが、政府は「公の支配に属しない教育事業」への公金支出を禁じた憲法八十九条に違反するとの立場だ。
 法案は、各種学校の認可基準に比べ、学校側の所有財産などの要件を大幅に緩和した支援のための基準を新たに設定。六―十五歳の外国人の子どもを中心に授業を行う無認可学校のうち、この基準を満たした学校に対し自治体が「経常的経費などを補助できる」と規定し、国も補助金の一部を負担できるとしている。
 また、補助金が不正利用されないようにチェックするため、廃校命令や学校役員の解職勧告など監督権限を自治体に与えることなどで「公の支配」を担保し、憲法違反の解釈を回避する。
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【ブラジル人学校】二〇〇七年末時点で全国に八十八校あり、うちブラジル政府の認定校は五十三校。日本の学校教育法上の各種学校として認可を受け、都道府県の助成対象になっているのは四校。一九九〇年の入管法改正で、在留資格が緩和され、来日する日系人が増加し、学校数も増えた。授業料を徴収して運営しているが、不況に伴う保護者の失業や転居などにより経営悪化に苦しむところが出ている。