コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2009年5月13日付け

 日本政府の日系人帰国支援策に伴う再入国制限問題が、「原則三年」で一応の決着を見た。
 四人家族で百万円近い支援金、さらに日本に残る人への再就職訓練、日語講座など、立派な施策を打ち出しながら、再入国制限の期間という一点だけが一人歩きして全体の印象を下げてしまった。惜しいことだ。
 政府決定を受け、同制度で帰伯する人は増えるかもしれない。その時、これまで批判する側だった人たちが逆の立場になることもありうる。日本に残る人には、今まで以上に責任が求められるようになるのではないか。
 そして三年後、日系人を巡る状況がどうなっているかも分からない。
 今年三月に与党プロジェクトチームがまとめた緊急雇用対策の提言書には、次のような一文もあった。「今後の状況によっては、日系人の身分に基づく新たな入国管理のあり方について検討する」と。    (ま)