小代夫妻殺害=従業員の男性を逮捕=グアラレーマ=前借り断られ口論に=容疑を認め自白

ニッケイ新聞 2009年5月16日付け

 八日にサンパウロ州グアラレーマ市で起きた小代正治さん(74、大分)キヨエさん(68、群馬)夫妻殺害事件で、グアラレーマ市警察は十四日午後五時、小代さんの農場の従業員、ジョアン・アントゥーネス・ベゼーハ・ネット容疑者(28)を逮捕した。同容疑者は夫妻殺害の容疑を認めている。

 事件は八日午後三時頃に発生、同日午後七時半グアラレーマの自宅で死亡している夫妻が発見された。
 逮捕されたネット容疑者は、小代さんの農園で雇われていたが、事件直後から行方が分からなかった。十四日午後五時に逮捕後、すぐに容疑を認め、二人の殺害を自白した。
 警察の発表によれば容疑者は八日午後、雇用者である小代夫妻に食料を買いたいと日給二十五レアルの前借りを頼んだところ、きちんと仕事をするよう正治さんに諭され口論になった。ネット容疑者は自己防衛を主張しているという。
 正治さんは山刀で、キヨエさんは包丁で殺された。使われた凶器は、正治さんの所有する山刀と小代さん宅にあった包丁。小代さんの農園で発見された。
 ネット容疑者は、小代夫妻の農園で約六カ月働いており、日給二十から二十五レアルもらっていた。小代夫妻との間では以前から金銭面でのトラブルがあったという。
 正治さんは、以前にも寝込みを襲われ銃で撃たれるという事件に巻き込まれているが、警察は今回の事件とは無関係と話している。
 ネット容疑者は十四日グアラレーマ市で身柄を確保された後、モジ・ダス・クルーゼスの刑務所へ移送された。今後二度の裁判を経て容疑者の判決が言い渡される。同警察によれば、殺人容疑は約三十年の刑を言い渡されることが多いという。