■ひとマチ点描■商議所の最古参

ニッケイ新聞 2009年5月19日付け

 南米銀行の創立者の一人、宮坂国人の呼び寄せで、神戸大学の後輩として山田唯資さん(ただし、84、静岡県浜松市)が来伯したのは、戦後移住開始翌年の54年だった。
 なんと1973年からブラジル日本商工会議所の会員企業で、76年からは監事を務め、18期も改選され、現在も監事会議長を務める。文句なしに最古参メンバーの1人だ。
 戦後わずか4年、1949年に米国留学を果たして5年間滞在、その足でブラジルへ渡った。得意の英語力を活かし、南銀がつくったコーヒー倉庫会社で輸出手続きをする仕事に就いた。
 「この60年、ブラジルの変わり方は素晴らしいと思う」。渡伯から半世紀以上たった。来年70周年を迎える商議所では、記念誌編纂でも山田さんの活躍が見られそうだ。 (深)