松柏・大志万=温かい手作りの運動会=千2百人が一日楽しく=親子と教師「家族のように」

ニッケイ新聞 2009年5月21日付け

 松柏学園(川村真倫子校長)・大志万学院(川村真由実校長)合同の運動会が十六日、沖縄文化センター運動場で開催された。招待状やプログラム作りなど事前の準備から、当日のアナウンス、景品係、接待係など全て子どもたちが中心になって行なった手作りの運動会。一日で計千二百人が参加し、多彩な種目で汗を流した。
 秋風が吹く少し肌寒い日となった運動会当日。会場には万国旗と鯉のぼりがはためき、手作りの案内版などがあちこちに掲げられ、会場の雰囲気を盛り上げていた。競技は午前八時から開始され、全二十八種目が赤組(橙、青チーム)と白組(黄色、緑チーム)とで競われた。
 今年のテーマは「人生の命のかけっこ」。テーマに沿った競技「障害を乗り越える」では、二人一組で馬飛びをした後、背中合わせになって両足を結び、男子生徒がボールを手に持って一緒に走って行き、手を繋いでゴールしていた。
 また、誰でも参加できるリレーではサンパウロ日本人学校の教師四人がチームで参加し、二位でバトンを受けた最終走者が一人を抜き去り、見事一位でゴール。リーダーの澤邉芳幸(46、茨城)さんは「とても気持ちよかったです。当然優勝を狙っていました」と喜んでいた。
 朝から案内や接待に忙しく動き回っていた大沼潤PTA会長(44、二世)は「親と子と先生たちが交ざって、一つの家族のようです。子どもが運営し、みんな役目をもってがんばっています」と話す。当日は朝六時半頃から親と子、教師たちが総出で準備をしたという。
 同校では父兄に対して、「出来るだけ手作りの弁当をもってきて、家族で一緒に食べてください」とお願いしていた。昼食時には校庭の周りで家族一緒に弁当を食べる姿があちこちにみられた。鈴川哲実マルキさん(15、三世)は「お肉と、桃で作ったデザートが美味しかった」と、いつもとは違うおかずに嬉しそうな様子。
 競技には卒業生も訪れて見学。率先して手伝う姿や、校庭の隅で〃ミニ同窓会〃を楽しむ姿も見られた。
 終始、立ち上がって声援を送っていた真倫子校長は、「子どもの姿は感動を呼ぶ。親と先生と社会が応援してくれれば、どこでも教育はできる」と競技を終える毎に笑顔で子どもたちを迎えていた。
 校庭で率先して声をあげていた真由実校長は「じっとしていられない。子どもと一緒にいて騒ぐのが楽しいです」と語った。
 最後の種目であるフォークダンスとマイムマイムでは、生徒や卒業生、父兄も大勢参加して盛り上がりをみせた。
 競技は九百対七百で赤組が優勝。生徒は感動のあまり涙を流しながらトロフィーを手にもち、赤組全員で校庭を一周して喜びを表していた。