群馬やきそば祭り=郷土の味「お切り込み」も人気=子供たちもエプロン姿で

ニッケイ新聞 2009年5月21日付け

 在伯群馬県人文化協会の第三回「やきそば祭り」が、十七日午前十一時から同県人会で行われ、やきそば三百二十杯のほか郷土料理のうどん「お切り込み」も五十杯を完売する賑わいを見せた。
 群馬県人会のやきそば祭りは、県費留学生OBらが中心になって始めたもの。群馬の象徴となる料理を盛り込もうという意図から、今回初めて郷土料理の「お切り込み」も用意された。
 「お切り込み」は、野菜をふんだんに使った煮込みうどん。群馬では「三度の食にお切り込み」と言われるほど馴染みのある家庭料理だという。
 同県人会の主婦八人が前日ボランティアで夕方までかけて作ったダシに、会員の寄付で集まった新鮮な野菜を使った。
 会場を訪れた三十代の女性は、「うどんのダシと、とろみが最高」と満足の表情。中には、うどんとやきそばの両方を食べて帰った人もいたそうだ。
 同県人会で行なわれている日本語クラスからも十人の子供たちが手伝いに駆けつけ、クラスで学んだ日本語で客をもてなし、料理を運ぶ姿が見られた。当日新たに三人の子が、クラスに参加したいと申し出てきたという。
 前日から準備に携わった同県人会管理人の大矢みどりさんは、「おいしいという声が聞けて嬉しい。友人も来てくれて、楽しかった」と感想を語った。
 同県人会の萩原建暁事務局長は、「今回のようなイベントは県人会同士の交流の場でもある。互いのイベントに参加することで県人会を共に盛り上げていけたら」と話していた。
 今年好評だったことから、同会では来年以降も郷土料理を紹介していく考えだ。