■ひとマチ点猫■旧公使館を文化センターに=安見清さん

ニッケイ新聞 2009年5月28日付け

 杉村濬(ふかし、岩手県盛岡市出身)日本国第3代公使が過ごしたリオ州ペトロポリスの旧公使館に、岩手県人会「リオ杉村公使墓参旅行」の一行31人を案内した安見清さん(69、茨城)。今まで歴史の中に埋もれていた公使館を2年がかりで探し出した。
 三菱重工の進出企業、アタ燃焼機工業株式会社の出向職員として1973年から同地で勤め、2000年までの6年間取締役をしていた。
 今は、夫妻で「定年後の楽しみ」を満喫しているという安見さん。市に寄贈した工場を利用して2003年から、中学・高校の卒業資格をもたない成人を対象とした州立校分校Fabrica do Saberをスタートさせた。
 「出席確認や試験の採点、何から何までトマ・コンタしてますよ」と溌剌とした表情を浮かべる。
 ボランティア経営者としてサポートする日々。現在分校には1400人が登録している。「今までに150人が卒業して、そのうち10人が大学に進学したんです」。
 現在、売りに出されている公使館を「〃移民発祥の地〃として文化センターのような形で残すべき」と訴えている。旗振り役として今後の活躍に期待。  (親)